新築の賃貸アパートは、設備やデザインが最新で魅力的です。
そのため、入居希望者は物件が完成する前に契約を結ぶ「先行契約」をすることがよくあります。
しかし、この先行契約にはリスクも存在し、トラブルに発展するケースが少なくありません。
本記事では、新築賃貸アパートの先行契約においてよく見られるトラブル事例を紹介し、契約時に気を付けるべきポイントを解説します。
物件完成の遅れによるトラブル
工期の遅れで引っ越し計画が崩れる
新築アパートは、完成前に募集が開始されることが多くありますが、実際に物件の完成が予定より遅れることは珍しくありません。
この遅延が発生すると、入居者は引っ越しの計画を立て直さなければならず、引っ越し業者との契約や新居の準備に大きな影響を及ぼします。
特に、前の住居をすでに退去している場合、新たな住まいを一時的に確保しなければならないなど、余計な費用が発生することもあります。
工事の遅延に対する対応が不十分
また、工事の遅れに対して、管理会社や大家が十分な説明を行わないケースもあります。
これにより、入居者は不安を抱えたまま待たされることが多く、場合によっては契約自体をキャンセルせざるを得ない状況になることもあります。
しかし、キャンセル時の対応について明確な規定がなかったり、違約金が発生することもあり、入居者にとっては大きな負担となります。
実際の設備や仕様が契約内容と異なる
モデルルームやパンフレットとの違い
先行契約の際には、まだ完成していないため、モデルルームやパンフレットを基に物件のイメージをつかむことが一般的です。
しかし、実際に物件が完成した際に、設備や仕様が契約時に提示されたものと異なるケースが少なくありません。
例えば、内装の色合いや材質が変わっていたり、約束されていた設備が設置されていなかったりすることがトラブルの原因となります。
小さな変更が大きな不満に繋がる
新築物件は、「新しいからこそ完璧であるべき」という期待が高い分、少しの違いが大きな不満につながりやすいです。
特に、間取りや窓の配置、収納スペースの仕様などが変更された場合、契約者は当初の期待と現実のギャップにがっかりすることが多いです。
このようなトラブルが発生した場合、契約の解約を申し出ても、解約料が発生することがあるため、契約前にしっかりと確認することが重要です。
家賃や条件の変更によるトラブル
家賃の引き上げや追加費用の発生
先行契約を結んだ時点で、家賃や条件が決定していると思いがちですが、物件完成後に家賃が変更されるケースも存在します。
例えば、完成後の周辺環境や物件の需要により、管理会社が家賃を引き上げることがあります。
これにより、入居者は当初の予算に対して余計な負担が発生し、契約を再考しなければならない状況になることもあります。
敷金・礼金の取り扱いに関する問題
また、契約時に約束されていた敷金や礼金の取り扱いが不明確であったり、後から追加費用が発生することもトラブルの原因となります。
例えば、「初期費用無料」とされていたものが、実際には保証料や管理費が別途発生するなど、細かな費用の説明不足が問題になることがあります。
これを防ぐためには、契約書の内容を細かく確認し、不明点があれば事前に質問することが重要です。
新築賃貸アパートの先行契約での注意点
契約前に物件の詳細を確認することが重要
先行契約を結ぶ前に、できるだけ物件の詳細情報を確認することが大切です。
パンフレットやモデルルームだけでなく、可能であれば現地を訪れて周囲の環境や交通の便などもチェックしましょう。
また、工期が遅れた場合の対応や、設備や仕様の変更があった際の対応についても、契約書にしっかりと記載されているかを確認してください。
解約条件を把握しておく
何らかの理由で契約を解約しなければならない場合、違約金や解約料が発生することがあります。
特に、新築物件の場合は契約解除に関する条件が厳しい場合もあるため、解約に関する条項について事前にしっかりと理解しておくことが重要です。
第三者のレビューや評判を参考にする
新築物件の先行契約は、物件がまだ完成していないため、情報が限られています。
そのため、過去に同じデベロッパーが手掛けた物件の評判や、第三者のレビューを参考にすることも一つの方法です。
ネット上での口コミや不動産サイトの評価を確認することで、信頼できるかどうかの判断材料となります。